株式会社白元

5月29日に東京地裁へ民事再生法の適用を申請した(株)白元(資本金43億2473万8302円、台東区東上野2-21-14、代表間瀬和秀氏、従業員374名)の事業譲渡に関する債権者説明会が、8月7日10時より大田区民ホール「アプリコ(大ホール)」で開催された。

スポンサー選定手続きの概要、取引スキーム・スポンサーの紹介、事業譲渡契約の概要、事業譲渡実行後の状況、財産評定の結果、再生債権への弁済見込み、今後のスケジュールの説明がなされた。スポンサー選定の経緯については6月30日の一次応札で24社が応札。その後、7月25日の二次応札で最終的に3社が応札。「譲渡代金(弁済の極大化)、履行の確実性、雇用の維持、ブランドの維持、スケジュール維持」を選考基準とし、最終的に履行の確実性のある譲渡代金として、アース製薬が最高額を提示、その他の条件も希望に沿うものであったため、同社をスポンサーに選定した。また弁済率は、2015年1月上旬(予定)の再生計画認可決定の確定後の初回弁済で、5~8%(財産評定による破産配当率1.64%)を予定している旨の説明がなされた。なお、事業譲渡後の当社は、第1回弁済後、清算手続きに入り、残余財産の換価を進めていく意向。10時40分ごろから質疑応答に入った。主な内容は以下の通り。

―アース製薬以外の2社の譲渡金額の提示額は

具体的な金額および社名は秘密保持契約の関係等から申し上げられない。しかし、履行の確実性のある譲渡金額で最も高額がアース製薬であったことは間違いない。

―選定基準の中でも特にどの条件を重要視したのか

弁済原資の極大化という点で譲渡金額と、絵に描いた餅になってはいけないので履行の確実性。この2つが条件の要で、これらをクリアした上で、雇用の維持などその他の条件が続く。スケジュール維持というのも重要な条件だった。

―8月8日には白元アースが設立されるが、5月29日以降の債権債務の支払いはどのようになるのか

5月29日以降については、お取引先さまの協力を頂いて、15日締め末日払いと、末日締め15日払いの条件で取引を行っているが、8月15日までの取引分は8月末日に旧:白元にて現金で支払いを行う。8月16日以降の取引については、白元アースの方に引き継いで白元アースに支払って頂く。白元アースと取引先さまがどのような条件で取引をしていくかは、別途個別に協力させて頂きたいと考えている。

―白元から白元アースに事業が譲渡され、製造者名の表示が変わるが、既にある仕掛品や在庫はどのようになるのか。白元アースが買い取って廃棄処分するのか

基本的な方針として、法令上表示を直さないといけないものを除き、現在ある在庫や仕掛かりについてはそのまま活用する方向で、皆様に迷惑かけないように調整している。

―アース製薬が最高額75億円との説明があったが、一方で再生ファンドが100億円提示したとの新聞報道があった。この点と前代表鎌田真氏の経営責任について

一部報道の正しさ、ニュースソースについては我々でコメントすることはない。説明している通り、履行の確実性のある譲渡金額で一番高い金額だったのがアース製薬であったことは間違いない。鎌田真氏の経営責任については、いわゆる法的な経営責任があるのかどうかを調査すると共に、個人として連帯保証しているもの、保証責任についても調査中である。

説明会には多数の債権者が出席。任意の説明会であったが、まず目を引いたのが配布された資料。この種の債権者説明会で配布される資料としては、内容が非常に充実しており、かつ説明も丁寧で分かりやすかったため、出席者にとって理解度が高かったのではないだろうか。それを示すかのように最後の質疑も少なく11時20分ごろに散会となった。

株式会社白元

(株)白元(資本金43億2473万8302円、台東区東上野2-21-14、代表鎌田真氏、従業員419名)は、5月29日に東京地裁へ民事再生法の適用を申請し、同日保全命令を受けた。

申請代理人は南賢一弁護士(港区赤坂1-12-32、問い合わせ先:再生対策室03-3835-7563)など14名、監督委員には腰塚和男弁護士(千代田区神田須田町1-13-8)が選任されている。

当社は、1923年(大正12年)1月にナフタリン防臭剤の製造販売を目的に個人創業、50年(昭和25年)1月に法人改組された防虫剤や防臭剤などの製造業者。パラジクロルベンゼン系衣服用防虫剤「パラゾール」、使い捨てカイロ「ホッカイロ」、ピレスロイド系衣服用防虫剤「ミセスロイド」、保冷枕「アイスノン」など息の長いヒット商品が多く、トイレタリー業界屈指のロングセラーメーカーとしてトップ企業の地位を構築。特に「ホッカイロ」は、主に国内で製造され(一部を除く)、原材料の活性炭生産を内製化しているほか自社のノウハウを集約した高速機械を備え、コスト競争力でも相応の強みを有していた。

また、2000年4月には大正製薬から家庭向け殺虫剤「ワイパア」ブランドの営業権を取得し、同時に同製品の製造業者を買収し、殺虫剤事業に参入。その後も、医療衛生品メーカーや入浴剤メーカーを傘下に収め、「快適ガードプロ」や「バスキング」をはじめとする衛生用品、入浴事業にも参入するなど取り扱い製品を拡大させ、大手生活用品商社を中心に販路を築き、2010年3月期には年売上高約332億3700万円を計上していた。

しかし、主力のカイロ部門の売り上げが伸び悩むなか、他社の新規参入の影響もあって保冷剤部門の売り上げが大幅減収となり、2013年3月期は年売上高約304億8600万円と落ち込んでいた。このため、新製品開発に向けた関係強化を目的に2013年5月には住友化学に対し第三者割当増資を実施。また、収益性が低く、資金負担が重いカイロ事業を2014年1月に興和(名古屋市)に売却するなど経営改善に努めていた。

こうしたなか、今後に向けた協議を金融機関と進めていたが、結実せず、今回の措置となった。

負債は2014年3月31日時点で約255億円。

また、10万円以下の債務については弁済禁止の対象外となっている(支払時期・方法については別途連絡)。

なお、債権者説明会を<東京>日時:6月3日(火)午後2時~、場所:メルパルク東京 メルパルクホール(東京都港区)、<大阪>日時:6月4日(水)午後2時~、場所:難波御堂筋 ホール(大阪市中央区)」にてそれぞれ開催する予定。