株式会社YH商事(旧・吉田ハム)

(株)YH商事(資本金4800万円、港区赤坂3-13-4、代表清算人松岡一郎氏)は、10月30日に東京地裁より特別清算開始決定を受けた。

当社は、1935年(昭和10年)6月創業、1954年(昭和29年)9月に法人改組した食肉卸小売、ハム・ソーセージ製造業者。「飛騨牛」の名付け親とされ地元では相応の知名度を有し、スーパーや精肉店を得意先として、食肉を主体に、ハム・ソーセージ、レトルト食品、惣菜、煮豚、焼き豚などの加工品の卸を手がけるほか、スーパー内での小売りも行い、近時ピークの2002年1月期には年売上高約263億200万円を計上していた。

しかし、近年は景気の低迷による消費者の低価格志向やスーパーでの販売価格の下落などの影響から業績の伸び悩み傾向が続き、2016年1月期の年売上高は約130億円に落ち込み、赤字経営が続き債務超過に陥っていた。

この間、リストラによるコスト削減などを行ったが、業績は回復せず、単独での再建は困難と判断。2016年5月に官民ファンドの地域経済活性化支援機構の支援決定を受け、JA全農ミートフーズの100%出資で別途設立された(株)吉田ハム(岐阜県大垣市)に事業を譲渡し、当社は同年8月に(株)吉田ハムから現商号に変更。その後、今年8月31日には岐阜県大垣市から現所に本社を移転すると同時に株主総会の決議により解散していたところ、今回の措置となった。

負債は約50億円が見込まれるが、事業譲渡金などによる返済で減少している可能性がある。

なお、事業譲渡を受けた(株)吉田ハムは通常通り営業を行っている。

ATT株式会社

ATT(株)(資本金1億円、墨田区両国2-17-17、代表柴野恒雄氏)は、8月28日に東京地裁より破産手続き開始決定を受けた。

破産管財人は近藤丸人弁護士(中央区銀座1-8-21、近藤丸人法律事務所、電話03-3567-6261)。債権届け出期間は10月2日までで、財産状況報告集会期日は12月19日午前11時。

当社は、2006年(平成18年)9月の設立。主にスマートフォン、パソコン、カーナビなどに利用されるタッチパネル用の高機能表面保護フィルムを扱い、自社で企画開発した製品について国内や中国の業者に生産を委託。得意先のエンドユーザーは台湾・韓国・中国などの海外メーカーが約9割を占め、海外での保護フィルム需要急伸を受け、2016年8月期の年売上高は約574億円としていた。

しかし、従前から利益率の低い経営を余儀なくされていたうえ、過去に国内自社工場を閉鎖した際の累積損失などから、厳しい財務内容を強いられていた。近時は、複数の企業や個人から債権譲渡登記の設定を受けるなど動向が注目されるなか、6月22日に代表名で当社が循環取引を行っていた旨の通知が出され、取引先への支払いが滞る事態も発生。ここに来て事業継続が困難となった。

負債は債権者約31名に対し約89億9854万円。

千葉フェノール株式会社

千葉フェノール(株)(資本金3億円、港区東新橋1-5-2、代表清算人伊澤一雅氏)は、8月14日に東京地裁より特別清算開始決定を受けた。

当社は、1990年(平成2年)9月に上場会社の2社の合弁によって設立された。株主である同2社からの受注により、有機化合物のフェノールなどを原料とした化学製品を製造し、2008年3月期には年売上高約428億円を計上していた。

しかし、フェノールの国内需要の減少に加えアジアにおける設備新増設による供給過剰で採算が悪化するなど市況が低迷。稼働率の低下を余儀なくされていたことから、出資している2社の間で協議の結果、2014年に当社のフェノールプラントを停止していた。その後、今年6月30日に開催された株主総会の決議により解散、今回の措置となった。

負債は2017年3月期末時点で約49億500万円(債権者2名に対するものが大半)。

エーオーエス株式会社(旧:中小企業農業機構)

エーオーエス(株)(旧商号:中小企業農業機構(株)、資本金1000万円、登記面=千代田区九段北1-14-21、代表富沢亮氏)は、7月21日に千葉地裁より破産手続き開始決定を受けた。

破産管財人は佐藤瞳弁護士(千葉県千葉市中央区中央4-17-3、佐野総合法律事務所、電話043-225-4611)。

当社は、2009年(平成21年)1月に中小企業農業機構(株)の商号で設立。日本振興銀行(株)が推進した中小企業振興ネットワークにおいて、農業分野を担当する会社として、ブランド米ほか一般米の卸売販売を行い、2010年11月期には年売上高約6億5000万円を計上していた。

しかしこの間、2010年9月にグループ中核企業の日本振興銀行(株)が民事再生法の適用を申請。設立当初より同行から多額の借入を行い、その資金の大半を同ネットワーク関係会社への投融資に充てていたために、同行の経営破綻に伴い、当該借入債務が整理回収機構に譲渡されていた。その後は、米卸売業での収益を返済に充てる意向であったが、計画通りに進まず、事業は関係会社に譲渡、持ち株会社に移行していた。

負債は整理回収機構に対するもののみで約31億7600万円。