株式会社HKコーポレーション(旧・志戸平温泉株式会社)

(株)HKコーポレーション(資本金5000万円、花巻市湯口志戸平26、代表清算人久保田浩基氏)は、1月9日に盛岡地裁より特別清算開始命令を受けた。

当社は、1830年(天保元年)創業、1954年(昭和29年)9月に法人改組した老舗の温泉旅館経営業者で、花巻温泉郷にて温泉ホテルの「湯の杜ホテル志戸平」と「游泉志だて」を経営していた。「湯の杜ホテル志戸平」は客室171室で、宿泊や入浴のほか、大規模な宴会や会合、婚礼や法事などのサービスにも対応し、2003年3月期には年収入高約37億2600万円を計上していた。

しかし、96年6月に増築した「ホテル志戸平」の投資額は45億7000万円、2006年1月にオープンした「游泉志だて」新築の投資額は10億4300万円に及ぶなど、過去の設備投資に伴う多額の金融債務が収益を圧迫していた。近年は収入高も伸び悩み、2018年3月期の年収入高は約25億3700万円に減少し、5期連続の当期純損失計上を余儀なくされ、約18億円の債務超過に陥っていた。

このため、金融機関との協議を重ね、2018年6月6日に新会社を設立して温泉旅館事業を承継する吸収分割を9月1日付で行い、同日付で現商号に変更。新会社へ全従業員を転籍し、11月30日開催の株主総会の決議により解散していた。

負債は約35億6300万円(うち金融債務約35億5000万円)。

なお、「湯の杜ホテル志戸平」と「游泉志だて」は新会社の志戸平温泉(株)が営業を続けている。

太洋産業株式会社

太洋産業(株)(資本金1億円、中央区築地6-16-1、登記面=岩手県大船渡市大船渡町字野々田5-1、代表松岡章氏、従業員63名)は、7月9日に東京地裁へ民事再生法の適用を申請した。

当社は、1935年(昭和10年)4月創業、44年(昭和19年)10月に法人改組された。「タイサン」ブランドで国産水産物を中心に取り扱い、創業以来、長年の業歴を有する水産加工販売業者。具体的には鮮魚の卸売を中心に、加工食品、冷凍食材などの商品を取り扱い、岩手県大船渡市などにある自社工場で加工を手がけ、2003年3月期には年売上高約144億9500万円を計上していた。

しかし、損益面では2017年3月期まで6期以上連続して経常赤字を計上するなど、収益性に乏しい状況が続いていた。この間、安価な輸入水産物の流入に加え、東日本大震災の発生により大船渡工場が被災。加えて、主力のサンマと秋鮭の漁獲量に業績面が大きく左右されるなど厳しい営業環境となり、2017年3月期には年売上高約76億7800万円にとどまっていた。近年は主力である鮮魚部門で仕入価格上昇分を売価に転嫁できない時期があったうえ、不漁による扱い量の減少から減収推移となっていた。

負債は2017年3月期末時点で約45億2300万円だが、その後に変動している可能性がある。

株式会社MCH(旧商号:盛岡シティホテル)など2社

(株)MCH(旧商号:(株)盛岡シティホテル、資本金3400万円、盛岡市盛岡駅前通8-14、代表清算人村上和夫氏)と、関係会社の(株)HRM(旧商号:(株)ホテルロイヤル盛岡、資本金2000万円、盛岡市菜園1-11-11、同代表清算人)は、2016年12月22日に盛岡地裁より特別清算開始決定を受けた。

申請代理人は大森剛弁護士(大阪府大阪市北区西天満4-3-25、弁護士法人梅ヶ枝中央法律事務所、電話06-6364-2764)。

(株)MCHは、1951年(昭和26年)に食堂経営を目的として創業した後、71年(昭和46年)4月に法人改組。JR盛岡駅前の立地で73年1月に「盛岡シティホテル」を開業、79年8月には「盛岡ニューシティホテル」を開業した。また、93年3月には市内中心部に立地する「ホテルロイヤル盛岡」を約28億円で買収し、同運営企業の(株)ホテルロイヤル盛岡を完全子会社化した。

しかし近年、これらホテルの近隣では大手ホテルチェーンによる新規開業が相次ぎ、2社の業績は低迷を強いられていたほか、(株)MCHは「ホテルロイヤル盛岡」の買収資金が財務面の負担となっていた。このようななか、2社からの会社分割により2016年8月に新会社を設立してホテル経営事業を承継、9月には2社それぞれ現商号へ変更のうえ、解散を決議していた。

負債は2016年3月期末時点で(株)MCHが約30億9100万円、(株)HRMが約9500万円、2社合計で約31億8600万円であるが、変動する可能性がある。

なお、現在は新会社の経営により上記ホテルの営業は継続している。

株式会社シンコー

(株)シンコー(資本金1億3150万円、石巻市渡波下榎壇84-3、登記面=石巻市万石町3-23、代表丹野耕太郎氏ほか1名、従業員30名)は、2月26日に仙台地裁へ民事再生法の適用を申請した。

申請代理人は及川毅弁護士(登米市迫町佐沼中江4-1-1、弁護士法人及川毅法律事務所、電話0220-44-4220)。監督委員には佐藤美砂弁護士(仙台市青葉区一番町1-17-24、ひかり法律事務所、電話022-262-6118)が選任された。

当社は、1987年(昭和62年)7月に設立された水産加工業者。冷凍カキフライを中心に、サンマやサケ、ホッケ、サバ、赤魚、穴子、白子、ホタテ、ホヤ、昆布、ワカメ、もずくなど幅広い水産品を取り扱い、切り身や漬け込み、パック詰めなどの加工をすべて自社工場で手がけ、ピークとなる2009年6月期の年売上高は約17億9100万円を計上していた。

しかし、水産需要の低迷やデフレ、原料高などで業績が悪化。さらに2011年3月に発生した東日本大震災で津波被害を受け、2011年6月期の年売上高は約11億300万円、災害損失により約5億9500万円の当期純損失を計上し、財務内容は大幅な債務超過に陥っていた。

その後、国や県から復旧費の4分の3の補助を受ける「グループ補助金」を活用し、2013年1月に約28億円をかけて本社工場を復旧させるとともに宮城県登米市に大型の豊里工場を新設。生産能力を大幅に増強させ、2013年6月期の年売上高は約5億2900万円を計上していた。

しかし、2013年11月に宮城県の調査によって上記グループ補助金の不正受給が発覚。県から不正分の補助金返還を迫られたほか、補助金適正化法違反の疑いで当社と代表が刑事告訴されていた(その後取り下げ)。その後も県より2013年11月に約1億3000万円、2014年3月に約6億2000万円の返還命令受けたが、返済期日までに返還できず、信用は失墜していた。

豊里工場の稼働率低迷が続くなか、原発事故による風評被害も影響し、2015年6月期の年売上高は約4億3700万円に減少し、当期純損失を計上していた。対外信用が失墜するなか、受注キャンセルなどが発生し、一部取引先に対する支払遅延が発生するなど資金繰りが悪化。その後も補助金返還をめぐり県側との協議を進めていたが、先行きの見通しが立たず、自主再建を断念、今回の措置となった。

負債は債権者約80名に対し約37億円。

なお、債権者説明会が2月29日午後2時30分から「石巻グランドホテル」(石巻市)にて開催される予定。