宮崎カーフェリー株式会社など2社

宮崎カーフェリー(株)(資本金1000万円、宮崎市港3-14、代表黒木政典氏、従業員96名)と、関係会社の宮崎船舶(有)(資本金300万円、同所、同代表)の2社は、11月20日、事業を新会社に譲渡したうえで解散し、特別清算を申請する方針であることを発表した。

宮崎カーフェリー(株)は、2004年(平成16年)4月に経営難に陥った(株)マリンエキスプレス(宮崎市、登記面=東京都中央区、2005年12月に特別清算開始決定)から事業を継承する目的で設立。同年6月に宮崎港-大阪南港と、宮崎港-日向細島港-大阪・貝塚港を結ぶ2航路の営業を譲り受けて事業を開始し、2006年3月期には年収入高約60億5200万円を計上していた。

しかし、(株)マリンエキスプレスから転籍した従業員の労働債務を引き継いだこともあり、当初から大幅な債務超過を余儀なくされていた。原油高を背景とする燃料費高騰のなか、2006年4月に貝塚航路から撤退する一方、燃料油価格変動調整金(バンカーサーチャージ)の導入などで立て直しを図っていたが、2009年には高速道路料金引き下げが実施されたこともあって2010年3月期の年収入高は約46億300万円にまでダウン。同期から5期連続で経常赤字を余儀なくされるなど、債務超過額が拡大していた。

さらなるコストダウンを目的に2014年10月には大阪南港発着から神戸港発着に変更したが、東九州自動車道の整備進捗とともに貨物需要が大分港に流出するなど、収益改善の見通しが立ちにくくなるなか、関係会社も含めた債務償還のメドが立たないことから、メーンバンクとともに地域経済活性化支援機構(REVIC)に支援を申し込み、11月14日付で再生支援の決定を受けた。

宮崎船舶(有)は、2003年(平成15年)8月に設立。(株)マリンエキスプレスが所有していた船舶4隻を譲り受け、(株)マリンエキスプレスおよび宮崎カーフェリー(株)に裸傭船として貸し渡していた。2006年に2隻を売却したものの、多額の債務超過に陥っていた。

負債は2社合計で推定80億円。

なお、現在もフェリーの運航は継続中。2社は今後、各々の事業を地元の自治体や企業、REVICなどが出資する新会社に分割譲渡のうえで解散し、金融機関からの債務免除を受けるために特別清算を申請する見通し。

株式会社イヨクニ

7月25日までに事業を停止し、自己破産申請の準備に入っていた(株)イヨクニ(資本金1億800万円、宮崎市清武町加納乙182-8、代表清家力松氏)は、8月9日に宮崎地裁より破産手続き開始決定を受けた。

破産管財人は、江藤利彦弁護士(宮崎市老松1-5-1-301、電話0985-20-9911)。

当社は、1973年(昭和48年)3月にリビング商品卸を目的に創業し、84年(昭和59年)12月に(有)伊予国の商号で法人改組。90年8月に(有)イヨクニへ商号変更し、92年2月に株式会社へ組織変更した。

湿度調整機能を備えた睡眠用のパットやケット類をはじめ、自動車座席に設置するアンダーシートなどの自動車向けの寝装品を、大型トラックや乗用車のディーラーのほか、農機具メーカーや建設重機メーカーなどの得意先に販売。磁気入りクッションなどリビング用品のほか、食品などの各種ギフト、ノベルティー商品の販売なども行い、2011年12月期は年売上高約483億3400万円、税引き後利益約13億1100万円を計上したと公表していた。

しかし、2011年6月には本店不動産が債権者から差し押さえられ、競売開始決定を受けるなど、信用不安が表面化。この間、一部金融機関からは元金返済猶予を受けるなどひっ迫した資金状況が続いていた。こうしたなか、6月28日、投資会社や金融機関から融資を受けるために虚偽の法人税確定申告書を提出したとして、偽造有印公文書行使の疑いで当社代表と経理部長が逮捕、起訴された。大幅な粉飾決算の疑いも持たれ、その後の動向が注目されていたが、今回の措置となった。

負債は約52億円。

アイ・シー・カード株式会社

アイ・シー・カード(株)(資本金1億5000万円、宮崎市千草町4-17、代表日高彰良氏、従業員37名)は、3月18日に宮崎地裁へ民事再生法の適用を申請し、同日保全命令を受けた。

申請代理人は江藤利彦弁護士(宮崎市老松1-5-1、電話0985-20-9911)ほか3名。

当社は1978年(昭和53年)2月に設立された信販業者。宮崎県内を営業エリアとし、信販事業のほか、ファイナンス業務なども行い95年6月期には年収入高約10億4200万円をあげていた。

しかし、改正貸金業法の段階的な施行に伴う上限金利の引き下げや総量規制の導入によりファイナンス業務が低調となり2009年6月期の年収入高は約6億300万円にダウン。過払金返還請求の増加から事業環境が悪化し、2007年6月期から3期連続の当期損失計上となっていた。

この間、2009年9月には3営業所を閉鎖し他店に統合、以後は本社のほか3営業所での営業展開となっていたが、業況は好転せず今回の措置となった。

負債は約31億3800万円。

南榮工業株式会社

南榮工業(株)(資本金3600万円、都城市都北町5025、代表石神憲一氏ほか1名、従業員103名)と関係会社の南榮観光(株)(資本金1500万円、都城市栄町18-5、代表石神憲一氏ほか1名)は、12月8日に宮崎地裁へ民事再生法の適用を申請した。

申請代理人は松岡茂行弁護士(宮崎市別府町2-12建友会館4階、電話0985-27-2229)。

当社は、1962年(昭和37年)11月に農業資材卸売を個人開業、65年(昭和40年)2月に南栄ビニール工業(株)として設立された。ビニールハウスや物置向けに製造されたパイプ車庫やゴルフ練習用ネットなどの販売に特化、埼玉県や大阪府に営業所を構えて、全国のホームセンター、スポーツ用品店などを得意先に事業を展開し、現在でもパイプ車庫の国内販売シェアは約80%、加工ビニール資材の国内販売シェアは約10%を占めていた。

その後、カーポートなどのエクステリア商品の多様化に伴ってパイプ車庫の需要は低迷したため、96年2月以降は「サンパーク」「サングリーン」の店舗名で園芸資材やペット用品小売に参入、ガーデニングブームにも乗って徐々に店舗数を増やしたほか、全国各地で台風被害が大きかった2005年5月期の年売上高は約31億300万円を計上していた。

しかし、ガーデニングブームの低迷で一般個人向け園芸資材需要が冷え込み、小売店舗で不採算店舗が出てきた上、主力得意先からの回収サイトが長く、多額の運転資金を銀行借入金に依存、また当社の借入金には都城市内でビジネスホテルを経営する関係会社の南榮観光(株)向け転貸資金も含まれていた。最近では新興国の鉄需要伸展や原油高を背景に原材料コストが高騰、その仕入資金を短期借入金の借り増しで対応する資金繰りだったことから支払利息が膨らんで収益を圧迫するとともに、原材料の仕入を国内から海外へシフトとする中で現金決済の比重が増して長期借入金の返済原資を捻出しづらいキャッシュフローとなっていた。

2008年5月期の年売上高は約27億1500万円と減収が続き、その後も不採算店舗だった宮崎市の「サンパーク大塚店」を地場スーパーに賃貸するなど収益改善に向けて尽力したが多忙な資金繰りは解消されず、不動産売却計画も進まなかったことから12月上旬の手形決済が困難となり、今回の措置となった。

負債は南榮工業(株)が債権者約37名に対して約31億9000万円、南榮観光(株)が債権者約11名に対して約2億7000万円、2社合計で約34億6000万円。なお、12月15日に都城市内で債権者説明会を開催する予定。