太洋産業株式会社

7月9日に東京地裁へ民事再生法の適用を申請した太洋産業(株)(資本金1億円、中央区築地6-16-1、登記面=岩手県大船渡市大船渡町野々田5-1、代表松岡章氏)は、7月12日午後1時30分よりクアトロ室町ビル(中央区)で債権者説明会を開催した。

会社側からは松岡代表ほか3名、申立代理人として加藤寛史弁護士ほか4名が出席。また、監督委員として鶴巻暁弁護士が同席した。冒頭、松岡代表からお詫びがあり、申立代理人による民事再生に至った経緯や今後の方針などについて説明があった後、質疑応答に移り、午後2時18分頃散会となった。概要は以下の通り。

■民事再生の経緯

2011年3月の東日本大震災で大船渡工場が被災。工場閉鎖を余儀なくされ経営環境が著しく悪化した。また2016年頃より主力商品のサンマをはじめその他の魚種が記録的な不漁で仕入れが困難な状況に陥り、売り上げを確保することが難しくなった。固定費を賄えなくなり2017年末頃に単独での自力再建を断念。メーンバンクとも協議しながら私的再建を目指し、今年3月頃からスポンサー選定を行った。しかし条件が合わず、暫定的な期日としていた6月末までにスポンサーが確保できなかったため申立に至った。

■今後の方針

再度スポンサーを選定し、事業を継続する方針。私的整理によるスポンサー募集の際は買い手がつかなかったものの、民事再生法の適用を申請した後は状況が変化。補助金の返還義務(※詳細後述)が免除される可能性があることから、買い手の負担が減少する見込みとなった。一時はスポンサー候補から降りた企業も再考する見込み。

■主な質疑応答

――「補助金の返還義務が免除される可能性」とはどういうことか

東日本大震災の被災企業として国から補助金を受けているが、原則、補助金は事業譲渡した際は国に返還義務が生じるため、スポンサー選定の際に懸念点とされていた。しかし情報収集をしているうちに、ケースバイケースではありながら、事業譲渡やM&Aをしても国から事前承認を得ていれば返還義務が生じないという可能性を知った。本案件が事前承認を得られるかは流動的だが、事前承認を得たうえで再びスポンサー選定を行いたい。

――子会社2社は今後どうなるのか

太産商事(株)(埼玉県川越市)と、大船渡運輸(株)(岩手県大船渡市)の株式を保有している。2社を当社同様に法的整理する方針はない。なお、大船渡運輸は当社の事業とも密接に関わっており、関連性は深い。もし2社の株式を売却する際は、裁判所からの承認が必要になる。

■今後のスケジュール(予定)

民事再生手続き開始決定

10月頃     再生計画案の提出
12月頃     債権者集会
(スポンサーが決定した際は10月以前に債権者説明会を開催する予定)

加賀コンポーネント株式会社

加賀コンポーネント(株)(資本金4億円、中央区八丁堀3-27-10、登記面=千代田区神田松永町20、代表清算人守口英氏)は、7月7日に東京地裁へ特別清算を申請していたことが判明した。

当社は、1968年(昭和43年)3月に設立。91年4月に加賀電子(株)(東証1部)の子会社となり、97年5月にボルテツク(株)から現商号に変更していた。電源機器やスイッチング電源、トランス等の開発、製造、販売のほか、2006年からはプロジェクターの開発、製造、販売事業にも参入し、2008年3月期には年売上高約139億1000万円を計上していた。

しかし、各事業における競争激化や需要低迷から、2018年3月期の年売上高は約88億2500万円にダウン。約45億8800万円の債務超過に陥るなど事業の運営が厳しいことから、加賀電子(株)はグループ事業の再編を進め、当社の事業を今年1月に加賀マイクロソリューション(株)に譲渡。事業体としての役目を終えたことから、6月28日に親会社の加賀電子(株)の取締役会および当社の臨時株主総会において解散を決議し、同日付で解散していた。

負債は加賀電子(株)からの借入金約46億9200万円。

なお、加賀電子(株)は上記債権について回収不能となる見込みであるが、貸倒引当金を設定済であり、加賀電子(株)および連結業績に与える影響は軽微としている。

東伸工機株式会社

東伸工機(株)(資本金2150万円、横浜市瀬谷区五貫目町20-20、代表清算人森田政良氏)は、6月26日に横浜地裁より特別清算開始命令を受けた。

当社は、1962年(昭和37年)4月に創業、65年(昭和40年)1月に法人改組した、NC工作機械、溶接ロボットなどの産業用機械の金属加工および組立製作会社。92年(平成4年)4月に近隣の企業と工業団地組合を形成し、現本店所在地に最新鋭の工場・設備を取得。機械加工からハイテク機械製作に至るまで多品種少量製品の生産体制を構築し、特に一点ものでは大手鉄鋼メーカーなどから受注を得て、2005年8月期の年売上高は約3億6000万円を計上していた。

しかし、その後業況は悪化し、2010年8月期の年売上高は約1億4300万円に減少し、約5100万円の当期損失を計上していた。また、2005年8月期から欠損計上が続いたことで債務超過となり、本社工場不動産投下資金を融資した環境再生保全機構(当時環境事業団)への元利返済も滞っていた。

その後も金融債務の弁済不能状態が続いたため、2018年1月9日付で新設分割方式により(株)ワイテックを設立し、同社が営業基盤と従業員、債務の一部を承継。当社は、同日商号を東伸工機(株)に変更した後に解散し、今回の措置となった。

負債は約30億円。

株式会社連専

(株)連専(資本金9048万5250円、和歌山市屋形町2-10、代表萩高明氏、従業員2名)は、6月29日に大阪地裁より破産手続き開始決定を受けた。

破産管財人は印藤弘二弁護士(大阪府大阪市北区西天満4-8-17、はばたき綜合法律事務所)。

当社は、1960年(昭和35年)9月に和歌山連合専門店協同組合の組合員の割賦購入斡旋を目的に設立。地元密着の運営で「連専(れんせん)」として和歌山県内では一定の知名度を有し、当地区商店振興の一翼を担っていた。信販業務に加えて、その後は消費者向け貸金事業が主力業務となるほか、結婚式場運営などの冠婚業務も手掛け、97年3月期には年収入高約17億9400万円を計上していた。

しかし、その後は加入者・加盟店数を脱退数が上回る状況が続くなか、2006年12月成立の貸金業法改正の影響を受けて過払い金返還請求問題が発生。当社においても、2018年3月末までの累計で約11億2300万円を返還するなど大きな打撃となっていた。この間、2008年4月には冠婚事業をグループ企業に譲渡。2014年2月には消費者金融事業の新規融資を廃止、同年12月にはクレジットカードの取り扱い、2015年3月末にはギフトカードの販売も終了するなど、近年では消費者金融事業の回収業務のみの運営となり、2018年3月期の年収入高は約1400万円にまでダウンしていた。昨年以降は所有不動産売却による金融債務の返済や、過去の貸金債権および信販債権の回収により資産負債の確定作業を行う一方で、残る過払い金返還請求権者との和解を進めてきたが、すべての過払い金返還請求権者との和解は不可能と判断して今回の措置となった。

負債は約88億9000万円。(今後、過払い金返還請求の可能性がある債務を含む)

なお、問い合わせ先は以下の通り
株式会社連専 破産管財人室 コールセンター
TEL:073-422-4147
受付時間:午前9時から午後5時まで(土日祝日を除く)