株式会社吉年<ヨドシ>

(株)吉年(資本金5500万円、河内長野市上原西町16-1、代表吉年正守氏、従業員140名)は、7月14日に大阪地裁へ民事再生法の適用を申請した。

申請代理人は河本茂行弁護士(京都府京都市中京区烏丸通三条下ル、烏丸法律事務所、電話075-223-2714)ほか。

当社は、1718年(享保3年)に鍋・釜・農業用具の製造を目的として創業し、1944年(昭和19年)1月に吉年可鍛鋳鉄(株)の商号で法人改組した鋳鉄製品製造業者。トラクターやパワーショベルなどの産業や建設機械部品向けの継手を主力製品として、上下水道用特殊大型継手や建築金具、電車部品、碍子金具、自動車部品、機械部品、鉄道部品などの製造を手掛けていた。3万平米を超える本社工場での製造を主体にマレーシアで現地法人(2013年9月に生産中止)を設立して大量受注にも対応できる生産体制を確保。300年近い業歴から相応の知名度を有し、大手鉄鋼商社や産業機械、自動車メーカーなどに販路を確立すると、1991年11月期には年売上高約94億800万円を計上していた。

しかし、その後は得意先が生産拠点を海外へ移転させたことや、住宅関連用継手の受注低迷などから売上げは減少し、2016年11月期には年売上高約39億2500万円まで落ち込み、4期連続で営業段階から欠損を計上していた。この間、大阪府再生支援協議会のもと、金融機関に対してリスケを要請し資金繰りの改善を図っていた。その後も金融機関や取引先の支援のもと、収益改善を図っていたものの、過年度の決算修正などもあり、財務改善は進まず、資金調達力が限界に達し今回の措置となった。

負債は2016年11月期末時点で約55億2900万円。

なお、共英製鋼(株)(大阪市北区、東証1部)と7月14日に事業再生支援を目的としたスポンサー基本合意書を交わしている。

ダイナテック株式会社

ダイナテック(株)(資本金9999万円、松本市和田5511-5、代表中嶋崇氏ほか1名)は、7月12日、長野地裁松本支部より破産手続き開始決定を受けた。

破産管財人は宮澤幸平弁護士(安曇野市豊科南穂高1228-2 斉藤ビル201、安曇野法律事務所、電話0263-31-6224)。債権届出期間は8月14日まで、財産状況報告集会期日は10月16日午後2時30分。事件番号は平成29年(フ)第129号。

当社は、1946年(昭和21年)10月創業、53年(昭和28年)10月にメッキ加工などを目的に設立したもの。1990年(平成2年)6月に松本市埋橋の本社を同市和田の臨空工業団地内に移し、積極的な設備投資を行ってきた。従来はメッキ加工を主力としていたが、電子・電気機器などの表面処理(真空蒸着加工、光学薄膜蒸着加工など)にウェイトを移すとともに、2000年代には携帯電話向けカメラモジュールの電磁波シールド事業を主目的に中国に進出、天津・深センに拠点を構え、2008年3月期には年売上高約41億7700万円と初めて40億円を突破していた。

しかし、リーマン・ショック後の経済情勢の悪化により電子・電気機器に関する幅広い分野の売れ行きが鈍化。さらに、中国における事業も携帯端末の多様化や格安携帯の参入などから目論見通り進まず、厳しい経営を余儀なくされていた。2014年に天津、2015年には深セン拠点を清算し、国内生産に特化したものの、中国進出に伴う多額の投資や清算コストが膨らみ財務が悪化。金融機関をはじめ各方面の支援を受ける一方、新規分野の開拓にも努めてきたが、年売上高は2015年3月期約6億6600万円、翌2016年3月期約6億2300万円と下降線をたどっていた。近時も需要の減退、コストダウン要請が続くなど業況は回復せず事業の継続を断念、今年6月5日をもって事業を停止し、6月30日に三浦守孝・浅川清実両弁護士(松本市大手1-3-29 丸今ビル3F、三浦法律事務所、電話0263-39-2030)を代理人として自己破産を申請していた。

負債は債権者約133名に対し約35億8500万円。

青森駅前再開発ビル株式会社

青森駅前再開発ビル(株)(資本金10億3000万円、青森市新町1-3-7、清算人鈴木規央弁護士)は、7月5日に青森地裁へ特別清算を申請した。

申立人は鈴木規央弁護士(東京都千代田区丸の内2-2-2、電話03-6212-5500) 。

当社は、駅前再開発を進める青森市が36.6%出資し、1992年(平成4年)4月に設立された第三セクター。2001年、青森市が総事業費185億円をかけてJR青森駅前に複合テナントビル「アウガ」(地上9階、地下1階)を建設。当社は地下1階から4階までを区分所有として市から買い取り、生鮮市場やアパレル、雑貨店など約50店をテナントとして集め、2006年にピークとなる年間636万人の来場者数を記録。また、青森市営施設の受託・管理も手がけ、2009年2月期の年収入高は約7億200万円を計上していた。

しかし、設立当初よりアウガのテナント収入は計画を下回り、大幅な赤字決算で推移。2008年には債務超過寸前にまで財務内容が悪化していた。青森市は、金融機関から債権を買い取るなど支援を実施(これにより青森市の出資比率63.7%)して財務の立て直しを図ったが、業況は改善せず、2016年3月期の年収入高は約4億9400万円と低迷。減損会計の適用により最終的に約26億8800万円の赤字を計上し、債務超過に陥っていた。

こうしたなか、事業継続は困難として2016年10月3日付の取締役会で解散を決定、テナントに対して営業保証金や預かり金を全額返済することを条件にアウガからの退店を求め、テナントはこれに応じて2017年3月31日までに全店退店した。また、当社は、地権者に対しては床の賃貸借契約について合意確約することについて承諾を求め、これについても全地権者から承諾を得たことから、当社は2017年3月31日付けで解散し、7月5日に青森地裁へ特別清算を申請した。

負債は約32億790万円。

株式会社酒井製作所

(株)酒井製作所(資本金2000万円、名古屋市港区西茶屋4-147、代表酒井明夫氏、従業員197名)は、7月3日に名古屋地裁へ民事再生法の適用を申請した。

申請代理人は鈴木学弁護士(東京都千代田区大手町1-1-2、西村あさひ法律事務所、電話03-6250-7228)。監督委員は西脇明典弁護士(名古屋市中区錦1-20-8、西脇法律事務所、電話052-232-3760)。

当社は、1965年(昭和40年)6月創業、69年(昭和44年)10月に法人改組した自動車内装品の製造業者。大手自動車メーカーの二次サプライヤーとして、有償支給材を主体に、自動車用ワイパー、スイッチなど自動車電装品、周辺機器、工作機械の制御盤部品、生産設備向け樹脂部品などの製造を手がけるほか、OEMにより鉄道模型(Nゲージ)の製造も行っていた。本社に隣接して2工場を有するなど積極的に設備投資を行い、各種機械も充実し相応の技術力も評価され、近年ピークとなる2013年9月期には年売上高約54億5600万円を計上していた。

しかし、受注単価の厳しさや人件費などの固定費が負担となって収益性は低く、赤字経営が続いていた。加えて熊本地震の影響などにより、自動車の国内生産が停滞した影響などから2016年9月期の年売上高は約37億3800万円にとどまり、約1億5200万円の当期純損失を計上、大幅な債務超過状態が続いていた。その後はシニア社員の削減などのリストラを行ったほか、バンクミーティングを開催するなどして再建を図ってきたが、過去の設備投資等に伴う年商を上回る借入金も重荷となり資金繰りは悪化。再建スキームを策定することもできず、自力再建を断念し、今回の措置となった。

負債は約55億1000万円。