太平物産株式会社

太平物産(株)(資本金3億1200万円、秋田県秋田市卸町3-3-1、代表佐々木勝美氏)と、100%子会社の日本農芸化学工業(株)(資本金3600万円、群馬県渋川市川島字下田41-1、代表藤島康久氏)は、同地裁より12月14日付で再生手続き開始決定を受けた。

再生債権の届け出期間は2016年4月13日までで、再生債権の一般調査期間は5月26日から6月9日まで。監督委員には江野栄弁護士(秋田県秋田市山王中園町5-8、弁護士法人北斗法律事務所、電話018-874-9285)が選任されている。

太平物産(株)は、1946年(昭和21年)9月に設立した肥料製造業者。主力の肥料製造のほか、農業資材や化学工業用品、工事資材を扱う商事部門を設けていた。肥料は秋田、青森、茨城、群馬の4工場(他に製造委託工場もあり)で生産し、製品の大半を全国農業協同組合連合会経由で販売していた。各県共通で販売している肥料のほかに各県の土壌に対応した肥料を販売し、各単位農協で採用されたことから比較的安定した売り上げと収益をあげ、ピーク時である1991年9月期には年売上高約108億9600万円を計上していた。

しかし、農家数の減少や減農薬、有機栽培の取り組みが進行するなかで肥料の使用量は減少傾向にあり、2015年3月期の年売上高は約65億7600万円に減少。こうしたなか、肥料の配合表示偽装が発覚し、工場の稼働をストップする事態となった。もともと流動資産の大半が売掛金と棚卸資産に偏り手持ち資金に乏しい状況であったことに加えて、営業活動の自粛もあって偽装発覚以来、売り上げがない状態が続きとなり、11月27日に粟澤方智弁護士(東京都中央区京橋1-2-5、奧野総合法律事務所・外国法共同事業、電話03-3274-3805)ほか1名を申請代理人として秋田地裁へ民事再生法の適用を申請していた。

日本農芸化学工業(株)は太平物産(株)の100%出資子会社で、同社に連鎖した。

負債は申請時点で、太平物産(株)が約33億円、日本農芸化学工業(株)は約1億6000万円で、2社合計約34億6000万円。

株式会社ERSホールディングス

(株)ERSホールディングス(資本金6000万円、渋谷区東2-16-10、代表岡田幸一氏)は、12月8日に東京地裁へ自己破産を申請し、16日に破産手続き開始決定を受けた。

破産管財人は田中省二弁護士(中央区銀座6-9-7、銀座通り法律事務所、電話03-5568-7601)。債権届け出期間は2016年1月20日までで、財産状況報告集会期日は3月29日午前10時。

当社は、2006年(平成18年)7月に設立。省エネルギーの提案、施設の提供、維持・管理など包括的なサービスを行うESCO(Energy Service Company)事業を展開する事業者として、主に計測設備を導入して下水道水量を正確に計測することで下水道料金を削減するプランを推進。また、排水処理プラントの提供も手がけていた。大手ホテルチェーンやフィットネスクラブ、介護施設などの大型施設を得意先とし、2014年6月期には年売上高約15億3400万円を計上していた。

しかし、業容の拡大に伴う人員増加のコストや運転資金需要の増大で、収益は低減。従前から内部留保に乏しく、支出や設備投資を借り入れで賄う状況が続き、設備導入に伴うリース料負担なども重荷となっていた。加えて、近時は下水道の流量計センサーについて関係先とトラブルが発生し、同事業での収支が急速に悪化。事業継続が困難となり、今年10月29日までに事業を停止していた。

負債は債権者約209名に対し約31億円。

ケーエフ株式会社【旧・金井漁業】

ケーエフ(株)(旧商号:金井漁業(株)、資本金8000万円、釧路市入舟6-3-25、代表清算人橋本昭夫氏)は、11月30日に釧路地裁へ特別清算を申請し、12月15日に特別清算開始決定を受けた。

当社は、2006年(平成18年)8月に金井漁業(株)の商号で設立。1919年(大正8年)創業で国内でも上位の水揚げ高を誇っていた金井漁業(株)(のち金井マリーン(株)に商号変更、2006年11月に解散し、特別清算を申請)と、関連会社の朝日漁業(株)・金井遠洋(株)(ともに2006年10月に解散し、特別清算を申請)の3社が、2006年6月に取引金融機関から「私的整理に関するガイドライン」に基づく金融支援を受けることとなり、採算事業の継続を図るべく受け皿会社として設立された。

旧会社の沖合底びき網漁(2隻)、ロシア海域における遠洋底びき網漁(北転船2隻)、海外巻き網漁(1隻)、北方・南方トロール(1隻)など営業基盤、設備を継承。設立後初の通年決算となる2007年9月期は、北転船1隻が違法操業したとしてロシアに船舶を没収されるなど大きな打撃を受けたが、沖合底びき網漁が堅調で、ほぼ目標どおりの年売上高約50億1700万円を計上した。その後も、新造船の建設や中古船の購入など稼働体制の強化を図り、業界トップクラスの売り上げ規模を誇っていた。

しかし、魚価の低迷や消費の落ち込み、時化による水揚げ不振から売上高が減少するなか、2010年に発覚したロシアへの裏金問題から残る1隻の北転船が停泊処分を受けたほか、東日本大震災の影響による出漁中止で2011年9月期の年売上高は約41億2500万円に大きくダウン。新造船費用の償却や金利負担、為替差損から大幅な赤字を計上し、債務超過に転落した。その後は、停泊処分を受けた船舶の操業開始から2013年9月期の年売上高は約57億9300万円に回復したが、原油高による燃料費の高騰や船舶の修繕費、償却負担が重くのしかかり赤字決算が続き、債務超過額が膨らんでいた。このため、旧債分の返済見送りなど金融機関の支援を受けながら、ミール工場とすり身工場の閉鎖による食品加工部門からの撤退や船舶、不動産を売却するなどして経営再建に努めていたが、抜本的な経営改善が進まないことから、今年10月1日に2006年12月設立の新富士漁業(株)(同日、金井漁業(株)に商号変更)に会社を分割し事業を継承させ、当社は現商号に変更し、11月25日に株主総会の決議により解散していた。

負債は約41億8000万円。

株式会社MARU【旧・AIJ投資顧問株式会社】

(株)MARU〈旧商号:AIJ投資顧問(株)〉(資本金2億3000万円、中央区日本橋2-2-6、代表浅川実氏)は、8月14日に金融機関より東京地裁へ破産を申し立てられ、12月16日に破産手続き開始決定を受けた。

破産管財人は坂井秀行弁護士(港区元赤坂1-2-7、アンダーソン・毛利・友常法律事務所、電話03-6894-6109)。

当社は、平成元年(1989年)4月に外資系保険会社の投資顧問会社として設立され、2004年6月に浅川和彦が代表取締役に就任、同年8月にAIJ投資顧問(株)に変更していた。その後、2013年5月に現商号に変更。投資顧問業として関東財務局長(金商)第429号を届出、全国の中小企業などの業界団体で構成される厚生年金基金の運用を受託し、2011年9月末の年金受託残高は1984億円と業界41位の独立系中堅投資顧問会社として、年金専門雑誌のアンケートでは顧客から高い評価を得ていた。

しかし、2012年1月から証券取引等監視委員会が実施した検査の過程で、顧客から預かった年金資産の大半を消失させていたことが発覚。いわゆるAIJ事件により、2015年3月13日には前代表の浅川和彦被告について、詐欺と金融商品取引法違反(契約の偽計)の罪で東京高等裁判所が一審判決である懲役15年の東京地裁判決を支持し、控訴を棄却していた。

負債は債権者約6名に対し約1313億円。負債規模では今年最大。