株式会社恵比寿

(株)恵比寿(資本金300万円、福岡市博多区住吉5-5-15、代表大山貴博氏)と、(有)ダイギンエステート(資本金300万円、同所、代表大山晟徳氏)の2社は1月7日、福岡地裁から破産手続き開始決定を受けた。

破産管財人は高松康祐弁護士(福岡市中央区警固1-12-11、電話092-781-4148)。

(株)恵比寿は2008年(平成20年)2月に設立し、「えびす」の屋号で質店を経営していた。(有)ダイギンエステートは2003年(平成15年)3月に設立し、「アオキ」の屋号で質店を経営し、両社あわせて広島や佐賀、熊本などに店舗を展開していた。

しかし、2012年10月19日、貸金業者でないのに質屋を装い、年金を担保にして高齢者に対して違法な高金利で金を貸し付けていたとして、福岡県警は2社が経営していた店舗などを貸金業法違反(無登録営業)容疑で家宅捜索。その後、一部の債権者から損害賠償請求訴訟を提起されていたほか、「違法質屋被害者弁護団」が組織され、2013年2月12日に同弁護団によって福岡地裁に破産を申し立てられ、同年4月26日、福岡地裁より財産の保全管理命令を受けていた。なお、福岡県警は代表の大山晟徳氏らを貸金業法違反(無登録営業、公的給付にかかる預金通帳等の保管等の制限)、出資法違反(超高金利受領)容疑で同年6月までに逮捕している。

負債は、少なくとも恵比寿が30億円、ダイギンエステートが28億円で、2社合計58億円。

株式会社ダン科学

(株)ダン科学(資本金3200万円、八王子市美山町2161-5、代表尾崎泰照氏ほか1名)は、2013年12月26日に東京地裁へ民事再生法の適用を申請し、同日保全命令を受けた。

申請代理人は平谷敬一郎弁護士(八王子市明神町4-7-15、電話042-645-1533)ほか2名。監督委員には大野了一弁護士(港区虎ノ門1-15-12、電話03-3502-6296)が選任されている。

当社は、1955年(昭和30年)6月に創業、59年(昭和34年)4月に法人改組した半導体関連装置メーカー。フロンを使用しないクリーンテクノロジーによる電子部品洗浄システムの研究開発を主力に、本社のほか藤野工場(相模原市緑区)、上野原工場(山梨県上野原市)を拠点にウエハー、ディスク、精密部品、LEDなどの各種洗浄装置、空気清浄装置などを製造していた。国内大手メーカーなど150社を得意先とし、韓国・中国向け輸出も販売額の約40%を占め、2008年9月期の年売上高は約45億6200万円を計上していたが、現本社や上野原工場の建設、開発資金など先行投資が重荷となっていたうえ、素材・原料価格の高騰などで資金需要が高まり、苦しい資金繰りが続いていた。さらに2009年3月に入りナカン(株)(千葉県千葉市)が民事再生法の適用を申請したことから、同社に対する不良債権が発生。金融機関の支援姿勢の硬化などから資金計画に支障が生じ、2009年4月に東京地裁へ民事再生法の適用を申請し、同年10月に再生計画の認可決定を受けていた。

認可決定後は、代表の交代、セミナーハウスや上野原工場の売却などのリストラを進め、2011年9月期の年売上高は約13億4200万円を計上。2012年11月には再生計画認可の決定が確定してから3年が経過したため再生手続が終了していたが、再生計画に沿った毎年12月末の弁済が困難となり、2度目の民事再生法の申請となった。

負債は2011年9月期末時点で約9億6900万円だが、民事再生法の規則により最初の申請時の約49億8700万円となる見込み。

株式会社セトウチデリカ

(株)セトウチデリカ(資本金1億6700万円、今治市富田新港1-2-5、代表藤田浩一氏、従業員100名)は、1月6日に民事再生法の適用も視野に事後処理を菊池潤弁護士ならびに岡本林弁護士(松山市喜与町1-5-5、菊池潤法律事務所、電話089-932-5282)に一任した。

当社は、1999年(平成11年)6月、(有)セトウチフーズ(2007年6月に自己破産)の惣菜製造販売部門を承継して設立された惣菜製造業者。積極的な設備投資によって商品供給体制を整え、大手量販店への販路開拓に成功したほか、冷凍加工食品部門では大手冷食メーカーの外注指定業者に選出されるなど、大手顧客との取引比率を高め、最盛期である2012年6月期には約56億円の年売上高を計上していた。

ただし、デフレ環境下において大手量販店の価格競争は激しさを増し、量販店向けの販売単価が下落を余儀なくされていたほか、原材料相場の高値推移もあって収益性は低位に止まっていた。また過年度から売り上げの水増しや在庫調整による粉飾決算が行われ、経営実態は収益力に乏しい事業展開となっており、設備投資によって多額に膨れた有利子負債が財務面を圧迫、厳しい資金運営を強いられていた。

そのため、2013年2月にはチルド・冷凍加工食品の製造を行っていた広島工場を閉鎖、リストラによる収益性の改善を進める一方で、各取引行に対して新たな追加融資を求めたものの、金融機関からの追加支援は得られなかった。また、明確な主力行が不在のなか、取引銀行が多行に及んでいたため銀行間の対応の足並みを揃えられず、2013年3月には愛媛県中小企業再生支援協議会に経営再建の支援を要請したものの、抜本的な再建計画の策定に至らなかった。さらに、2013年9月には当社および代表者が消費税法違反と地方税法違反の罪で松山地裁に起訴されるなど、社会的信用が大きく失墜し支援体制が整わず、今回の事態に至った。

負債は2013年6月決算時点で約42億円。

大倉ケミテック株式会社

大倉ケミテック(株)(資本金3800万円、大阪市西区江戸堀3-1-31、登記面=大阪市西区江戸堀2-7-15、代表高橋正弘氏ほか1名、従業員19名)は、1月6日に大阪地裁へ民事再生法の適用を申請し、同日保全命令を受けた。

申請代理人は、松藤隆則弁護士(大阪市中央区北浜3-2-12 北浜永和ビル5階、弁護士法人京阪藤和法律事務所、電話06-6226-0032)ほか。監督委員には磯田光男弁護士(大阪市中央区北浜3-5-29 日生淀屋橋ビル5階、弁護士法人三宅法律事務所、06-6202-7873)が選任されている。

当社は、1948年(昭和23年)9月設立の化学製品卸業者。設立当初は大倉油研(株)の商号で、古油の精製や化学薬品販売を手がけ、98年に現商号に変更。石油化学製品や化粧品原料、医薬品原料などの卸売を手がけ、塗料原料や電子部材、食品原料などその取扱品は多岐に渡っていた。2007年に子会社を吸収合併すると、携帯電話用カメラモジュールや小型液晶向けモジュールなどの通信業界向け商材や機械設備などの取り扱い比率を増加させたほか、栄養ドリンクの販売も手がけるなど幅広い事業展開を見せていた。大手電子部品メーカーなどへの国内販売を中心に、韓国や中国、東南アジア向けの輸出販売も積極的に行い販路を確立。子会社の合併効果が表れた2008年7月期には年売上高約141億1800万円を計上していた。

しかし、その後は合併効果も徐々に薄れたことに加え、歴史的な円高を背景に韓国向けの輸出が減少、さらに機械設備などの大型受注も低下したことから売り上げは漸減し2012年7月期には年売上高約72億6100万円まで落ち込んでいた。このため、国内向けに電子部品や断熱塗料などの販売に注力したほか、樹脂フィルム販売を積極的に伸長させたことで翌2013年7月期の年売上高は約113億1600万円まで回復させていた。

その一方で、韓国の主要得意先が倒産したことで、2億円を超える不良債権が発生。さらに2013年11月には樹脂フィルム原料と機械設備販売に伴う手形詐欺事件に巻き込まれたことで10億円内外の手形を詐取される事態が発生し、資金繰りは急速に悪化。2013年12月には供託金を積んで詐取された手形の決済を履行せずにいた。その後も金融機関の協力を得ながら詐取された手形の回収を図っていたものの、追加の供託金を積む資金が調達できず、今回の措置となった。

申請時の負債は約38億1600万円。