正華産業(株)(資本金4億円、大阪市西区江戸堀1-21-35、代表分島克氏、従業員39名)は、11月29日に事業停止し、事後処理を渡辺徹弁護士(大阪市中央区北浜1-8-16、電話06-6202-1088)ほかに一任した。
今後は自己破産を申請する予定。
当社は、1971年(昭和46年)8月に設立の化成品商社。大阪市内で数度の移転を経て、2001年12月現所に本店を移転。2005年3月、京都市の化学薬品メーカー傘下(100%出資)となっていたが、2009年2月に分島代表が個人出資する資産管理会社が同社から株式を買収。無機・有機化学品の卸売、輸入化成品の販売を行う化成品卸売事業(31.6%)を中心に、ISK酸化チタンの韓国向け輸出代理店やゴム薬品・チーク間伐材などの輸出入を行う国際貿易事業(25.7%)ほかを手掛けていた。
また、東京・札幌に事業拠点を設け、長年の業歴の下、上場化学薬品商社や大手総合商社、農薬メーカー、製紙業者など安定した顧客基盤を有する一方、ISO14001認証やISO9001認証など国際規格も取得するなど社内体制も確立。加えて、2004年頃から積極的なM&Aにより、エクステリアなどのアルミ建造物の設計製作事業や農薬梱包材の企画販売事業など異業種に進出、さらに2008年4月からは飲食店向けの食材物流管理に参入するなど事業領域を拡大させ、2009年3月期には、ピーク時となる年売上高約133億5600万円を計上していた。
しかし、多業種にわたる事業展開で売上は急伸していたものの、M&A資金や設備投資資金などから金融債務が増加していたほか、新規事業の収益性も低調であったことから、2009年6月に社外から取締役を招聘(11月に辞任)し、財務内容改善に乗り出し、不採算事業の廃止・撤退や人員削減などのリストラに着手。そうした中、所有不動産に対する取引先の根抵当権設定仮登記や金融機関による仮差押のほか、債権譲渡登記が相次いで設定されたことから信用状況が大幅に低下。さらに、事業撤退による資金回収難などから資金繰りが急激に悪化、返済の延滞や仕入債務の支払遅延を発生していた。
負債は2009年3月期末で約54億9100万円。