株式会社カナエ

(株)カナエ(資本金2億4000万円、大阪市東住吉区西今川3-1-21、代表小原亨氏、従業員6人)は、6月2日大阪地裁へ自己破産を申請した。

申請代理人は 浜川登弁護士(大阪市中央区高麗橋2-5-10アイケイビル6階、F&J法律事務所、電話06-4706-0304)ほか。

当社は、1961年(昭和36年)7月の設立。市内西成区で衣料販売店を営んだ創業者が、セルフサービス式スーパーマーケットの将来性に着目して、「主婦の店鶴見橋店」を開設したのが始まりで、昭和40年代以降は杭瀬店(兵庫県尼崎市)をはじめ相次ぎ出店を行い、最盛期には市内南部を中心に11店舗の食品スーパー「カナエ」を運営した。概ね食品85%、雑貨10%、衣料品5%の扱い比率で、ピーク時の90年6月期には年売上高約197億円を計上するなど、86年以降は10年以上連続で180億円超の年売上高を記録。一時は350名近い従業員を抱え、地域密着型のスーパーとして主婦層を中心に高い知名度を得るなど、市内の総合スーパーでは老舗として知られてきた。

だが近年は、新興大型店やディスカウントストアの出店が相次ぐなど、顧客獲得競争は年々激化。ピザ宅配事業(その後撤退)などにも取り組んだものの、売上高の落ち込みに歯止めを掛けられず、2005年6月期の年売上高は約94億4000万円と100億円台を割り込んだほか、店舗不動産の取得や設備資金などで借入金も最大70億円近くまで膨らんだことから、店舗の閉鎖・売却などのリストラに着手した。

しかし、その後も想定を上回るスピードで業績が悪化したため、2006年9月には自主再建を断念。同業の(株)スーパーサンエー(岸和田市)に対して営業権を譲渡して、以降は不動産賃貸収入を得る再建案を策定し、順次同社などへ保有不動産の売却を進めてきたが、消費不振の影響からテナントのリーシングは低調な推移が続き、ここにきて債務返済のメドが立たなくなった。

申請時の負債は、債権者約50名に対して約35億円。

なお、大半の(店舗)不動産は売却済、或いは売却予定であり、店舗は通常通り営業している。

株式会社戸山カンツリー倶楽部

(株)戸山カンツリー倶楽部(資本金3億円、広島市安佐南区沼田町阿戸1568-1、登記面=広島市中区大手町4-6-16、代表清算人横山慶一弁護士)は、6月1日に広島地裁へ特別清算を申請した。

当社は、1988年(昭和63年)3月に地場大手ゼネコンのグループ会社の1社として設立されたゴルフ場運営会社。93年11月オープンした広島市安佐南区沼田町のゴルフ場「戸山カンツリークラブ」(コース面積79ha、18ホール、6905ヤード、パー72)の運営を手がけていた。

広島市中心部から約20㎞に位置する好立地と上級者向けコースで人気を得て、2003年3月期には年収入高約4億7700万円を計上していたが、バブル期に計画されたものだったこともあり、ゴルフ場建設のための多額の銀行借入が重荷となっていた。

価格競争につながる安価なパック料金設定などは行わず、上級者向けに高品質を維持する姿勢を崩さない運営により高い地位を築いていたが、収益面は低調で債務超過の状態にあり、経費削減と営業強化に努めていたものの抜本的な改善には至らず、5月28日開催の株主総会で解散を決議し、今回の措置となった。

今後については、2月23日に別途設立された(株)トヤマコーポレーション(資本金1000万円、広島市中区大手町4-6-16、代表八幡欣也氏)にゴルフ場事業の全部を譲渡し、ゴルフ場の営業は継続される。会員の預託金(1口500万円)も全額新会社が引き受ける。預託金の返還は5年間の猶予を要請しているが、新会社への会員移行に際して新たな預託金や入会金の支払等の負担は求めない。

負債は約70億円。

栗本建設工業株式会社

東証・大証1部上場の(株)栗本鐵工所の連結子会社、栗本建設工業(株)(資本金39億円、大阪市西区南堀江1-11-1、代表中潤也氏、従業員206名)は、6月4日に大阪地裁へ民事再生法の適用を申請し、同日、保全命令を受けた。

申請代理人は野城大介弁護士(大阪市北区堂島浜1-4-16、電話06-6346-2970)ほか。監督委員には石井教文弁護士(大阪市中央区高麗橋4-4-9、電話06-6208-8771)が選任されている。

当社は、1946年(昭和21年)4月、(株)栗本鐵工所の建設工事部門が分離独立して設立。一般住宅、ビル、マンション、工場等の建築工事を中心に手掛ける地場中堅ゼネコンで、93年3月期には年売上高約508億6000万円を計上していたが、以降は業界不振や同業間の競争激化で売上高が漸減、99年3月期には約373億2400万円にまで減少していた。その後は、無添加住宅の積極的な営業展開やマンション・ビルの受注拡大で業績は回復、2004年3月期にはピークとなる年売上高約667億3400万円を計上していた。

ところが、この間の2003年3月には民事再生法の適用を申請した(株)セザール(東京都品川区)に24億4800万円の不良債権が発生。2003年9月中間決算で159億6200万円の純損失を計上し、130億5400万円の債務超過に転落。同状況を解消すべく、2004年1月には減資と(株)栗本鐵工所向けの115億円の増資を実施。(株)栗本鐵工所100%出資子会社となり、信用補完を図っていた。その後は2004年3月に本社不動産一部売却、2007年3月、11月には賃貸用不動産、社員寮を売却するなどリストラを実施。2008年4月には(株)栗本鐵工所を割当先に50億円の増資を行っていた。

しかし、受注選別や同業間の更なる競争激化で、再び売上高がジリ貧となり、2008年3月期には年売上高が約431億9900万円に落ち込むなか、近藤産業(株)(大阪市、2008年5月破産)、愛松建設(株)(愛知県稲沢市、6月民事再生)等に多額の不良債権が発生。これを受け、同年10月には財務の健全化、経営の安定化を目的に会社分割を行ったが、その後、当初見積りを上回る不採算工事物件の完工が続いたこと、また、2009年6月初旬に大口工事債権の回収見通しが困難な事態などが発生し、今後の資金繰りの目処が立たない状況となった。親会社の(株)栗本鐵工所は、これまでに増資引受、直接貸付等の資金支援を行ってきたが、現状で当社の収益改善の見通しが立たず事業継続は困難であると判断し、今回の措置となった。

負債は(株)栗本鐵工所からの借入金55億3300万円などを含め約146億円。

6月8日(大阪)、9日(名古屋)、10日(東京)に債権者説明会を開催する予定。

株式会社東陽印刷所

(株)東陽印刷所(資本金3億1000万円、東京都新宿区下落合1-8-2、代表數佐昭氏、従業員210名)は、6月6日付けで債務整理を野辺博弁護士(東京都中央区日本橋人形町1-18-6、電話03-3668-1575)ほか1名に一任した。今後は、自己破産を申請する予定。

当社は、1950年(昭和25年)8月に設立した老舗の総合印刷業者。ポスター、カタログ、パンフレットなどの商業印刷を中心に手がけるほか、メーカーの商品に貼付されるラベルの印刷も行っていた。広告代理店やエンドユーザーとの取引に加え、大手印刷業者の下請受注で売り上げを伸ばし、98年3月期には年売上高約102億円を計上していた。

その後も受注量は確保していたものの、同業他社との競合激化の影響を受け受注単価の下落が続いた。それに伴い売り上げも減少し、2008年3月期には年売上高約59億円にまで減少。リストラや資産売却により財務状況の回復を図っていた。

こうしたなか、同社の100%出資子会社である(株)ティーケーアイ(旧商号:東陽企画印刷(株))が5月15日に東京地裁へ自己破産を申請。多額の不良債権が発生し、さらに資金繰りが悪化。6月に入り決済難に陥ったことから、事業継続を断念した。

負債は2008年3月期末時点で約56億2200万円。

なお、関係会社の旭洋(株)(資本金1000万円、同所、代表數佐昭氏ほか1名)、(株)スタジオいちよんいち(資本金3000万円、大田区京浜島2-4-3、代表數佐昭氏ほか1名)も自己破産の準備に入っている。