株式会社中辰


(株)中辰(資本金3000万円、松山市下難波1376、登記面=松山市三津ふ頭1-2、代表中谷一郎氏、従業員80名)は、7月1日に松山地裁へ民事再生法の適用を申請、7月4日、保全命令を受けた。

申請代理人は、白石喜徳弁護士(松山市歩行町2-3-15、白石・安藤法律事務所、電話089-943-6936)ほか2名。

当社は、1873年(明治6年)創業、1973年(昭和48年)12月に法人改組された愛媛県下トップクラスの海産物・乾物の加工販売業者。宇和島市近海や九州で獲れる片口イワシの稚魚を使用したちりめん、シラスを中心に、煮干しや鮮魚も取り扱い、大手スーパーや百貨店などへの卸を主体に業容を拡大。

特にちりめんは、宇和島地区の伝統漁法である「すくい漁」(集魚灯に集まった片口イワシの稚魚を丁寧に手網でいきたまますくい上げる)で漁獲し、すくい上げた稚魚をすぐに船上にて氷で活けじめし、漁港で釜ゆでした後、天日で干すなど、品質や風味にこだわった製法や製造履歴を明記する安全性への配慮なども大手量販店からの支持につながっていた。一方で直営4店による小売りや通信販売も手がけ、2010年4月期には約60億3300万円の年売上高を計上していた。

しかし、個人消費の低迷による同業他社との競合激化や、生産能力をアップするための積極的な設備投資による借入負担から資金繰りは多忙を強めていた。さらに、循環取引で水産事業から撤退した商社との取引も噂され、金融環境は一気に悪化、不採算加工部門を外注するなどの収益改善措置を取ったものの信用不安に歯止めが掛からず、資金調達も限界に達し、今回の措置となった。

負債は約31億円が見込まれるが、変動する可能性はある。

なお、民事再生法適用の申請は、愛媛県では今年初のケースとなった。


「出典:帝国データバンク」