日本振興銀行株式会社


日本振興銀行(株)(資本金182億7221万1000円、千代田区神田司町2-7、代表小畠晴喜氏、従業員829名、店舗数=118店舗<2010年8月末時点>)は、9月10日に東京地裁へ民事再生法の適用を申請した。

申請代理人は多比羅誠弁護士(東京都中央区銀座8-9-11、電話03-3573-1578)ほか。

当行は、2003年(平成15年)4月に、日本銀行OBの木村剛氏の中小企業向けに特化する新銀行構想のもとに設立された銀行で、2004年4月13日に銀行免許を取得した。中小企業向け融資に特化したミドルリスク・ミドルリターンのビジネスモデルを展開、預金金利が相対的に高いこともあり、個人客からの人気も高かった。当初は中小企業向け融資を主体としていたが、その後は貸金業法の改正で経営難となった事業者金融業者や消費者金融業者等から商工ローンを買い取ることで、総資産は2008年3月期の約1356億2800万円から、2009年3月期には約4418億4400万円へと急拡大させ、また一方では、中小零細企業向けに各種サービスを行う企業ネットワーク「中小企業振興ネットワーク」を構成するなど積極的な事業活動を行い、2009年3月期の経常収益は約262億6500万円を計上していた。

しかし、木村剛氏と関係が深い会社への融資などがマスコミ各社で取り沙汰されるなど注目されていたほか、SFCGから購入した債権が他の金融機関との二重譲渡問題に発展する事態を招いていた。貸出残高は2009年3月期の約3134億円から2010年3月期には約4219億円へと増加、2010年3月期の経常収益約331億4300万円を計上していたが、貸倒引当金を大幅に積み増したことなどから約51億3500万円の当期損失を余儀なくされることとなり、これにともない経営責任を明確化するため、同年5月に木村剛氏は経営から退いていた。さらに、金融庁による立ち入り検査の際に電子メール削除などの妨害行為を行ったとして、5月27日には金融庁より業務一部停止命令及び業務改善命令を受ける事態となっていた。

その後6月には金融庁が検査妨害で刑事告発し、警視庁が当行ほか関係各所を家宅捜索、7月には木村容疑者らが検査妨害容疑で逮捕されることとなり、社外取締役だった小畠晴喜氏が代表に就任していた。こうしたなか、当行は2010年9月の中間決算で大幅な債務超過に陥る可能性がでてきたことで9月10日に預金保険法第74条第5項に基づき「その財産をもって債務を完済することができない」旨を金融庁に申請。金融庁は破綻認定し、預金保険機構を当行の金融整理管財人に選任、当行は民事再生法の適用を申請した。金融庁は、預金者1人当たり元本1000万円とその利息分までしか保護しないペイオフを初めて発動することとなった。

負債は2010年3月末時点で約6194億7100万円。

なお負債規模は、(株)日本航空(負債6715億7800万円、1月会社更生法)に続いて今年3番目の大型倒産となる。


「出典:帝国データバンク」